
CEPsと想起の地図 連続講座2026③ 予算で打ち手はどう変わるか 〜想起を動かす予算別PESO戦略
概要
狙う入口が決まると、次の迷いが出てきます。結局どの施策に予算を寄せればいいのか。動画とソーシャルメディア、どちらを優先すべきか。いまのクリエイティブを変えるべきか、続けるべきか。第3回は、その問いに答える回です。
施策を選ぶ前に、押さえておきたい前提が2つあります。
想起への打ち手は、途切れさせないこと。たとえばヘアドライヤーは国内で年間550〜600万台規模が出荷される一方、買い替えサイクルは3〜5年が多いとされます。生活者の購買タイミングは年間を通じて、そして数年単位で分散しています。特定の4カ月に集中して広告を打っても、その後に買い替え時期を迎える大多数には想起が届きません。いま買う人(今すぐ客)を取り合うだけでなく、数年後に買う人(そのうち客)に届け続けられるかが問われます。予算が同じなら、4カ月の山を作るより12カ月の底を切らさないほうが、想起は積み上がりやすくなります。
想起を落とす最大の要因は、競合ではなく自社の内側にあること。担当者の飽き、異動によるリセット、目印を刷新したくなる誘惑。これを防ぐ決まりがないまま選んだ施策は、どれだけ細かく作り込んでも続かず、想起が積み上がりません。
この2つを踏まえたうえで、施策を選ぶ話に入ります。判断の軸は3つ。最後に接触してからどれだけ経っているか(リーセンシー)、どれだけの頻度で接触できるか(フリークエンシー)、狙った入口とその施策が噛み合っているか(フィット)です。施策がこの3つを満たせるかは、4つの基準で見ます。効率がよいか。頻度を上げられるか。絞りすぎていないか。進捗を測れるか。
次に、Paid・Earned・Shared・Owned(PESO)の役割分担を一枚で見渡します。動画、インフルエンサー、バナー、OOH、ソーシャルメディア、PR、音声、タクシーという8つの施策の型を整理し、予算規模に応じてどれを優先するかの処方箋までお伝えします。一つの入口には、一つの一文と、同じ証拠。動画、ソーシャルメディア、店頭POPで別の言葉を使えば、薄い記憶が3つできるだけです。
限られた予算で成果を出すために避けるべき最大の失敗は、資源の分散です。予算をすべてのチャネルに薄く配ると、どの入口でも想起を獲得できません。予算が少ないほど、入口を絞って続けることが効きます。自社の予算感で、明日から何に集中すべきかを判断できる状態にすることが、この回のゴールです。
【この回で扱うこと】
- 打ち手を途切れさせてはいけない理由と、今すぐ客とそのうち客への届け方
- 想起を落とす自社の内側の要因と、担当者の飽きや異動、目印の刷新を防ぐ決まり
- リーセンシー、フリークエンシー、フィットの3つの軸と、4つの基準で施策を選ぶ考え方
- PESOによる役割分担と8つの施策の型、予算別の優先順位
講師からの一言
講座では、限られた予算で想起を取りにいくための施策の選び方を扱います。当日は、施策を選ぶ判断の軸と基準、PESO(広告・報道・クチコミ・自社メディアの4区分)での役割分担、予算規模別の処方箋までをお伝えします。自社の予算で、明日から何に集中するかを決められる状態を目指します。
登壇者
小島 駿株式会社トライバルメディアハウス シニアコンサルタントデジタル広告の代理店、大手総合広告代理店でのプランナーを経て、2021年当社に入社。100社以上のプランニングの経験を活かし、大手企業のコミュニケーション全体の戦略立案に携わる。事業成長を目的に、戦略策定からその後の支援まで継続的に支援できることが強み。NewsPicks主催『売上の地図』ブートキャンプ講師。 共著:『業界別マーケティングの地図』(日経BP)。メディア掲載:連載「想起の教科書 KGI・KPIの設計法」「想起の真実 ブランド戦略の羅針盤」「選ばれるブランドになる 想起の実践法」(日経クロストレンド)がある。
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