
CEPsと想起の地図 連続講座2026④ 想起は測れる 〜想起戦略を継続させるKGI/KPI設計と効果検証
概要
入口が決まり、施策が決まっても、現場には別の問いが残ります。想起は1つのキャンペーンや月次レポートでは結果が出ない。続けるしかないのはわかった。では、続けることをどう説明するのか。来期の予算が削られそうなとき、何を経営に渡せば投資を守れるのか。担当が異動したとき、積んだ想起資産を引き継げるのか。第4回で扱うのは、この問いです。
出発点は、費用と投資を分けることです。すぐに成果が出る代わりに、止めれば効果も止まるのが費用。立ち上がりは遅いものの、止めたあとも一定期間は効果が残るのが投資。想起への投資は後者にあたります。これを今期の売上と同じ物差しで測ると、長期の成長は壊れやすくなります。成熟市場でよく言われる「広告が効かなくなった」という感覚の正体は、行き過ぎた短期最適にあります。
そのうえで、想起を測るための土台を3つ整理します。入口ごとに見るのが、CEPsごとの想起率に自社と競合のスコアを併記した地図です。どの一文とどの証拠がその想起を支えているかを、1枚で読みます。カテゴリー全体を見渡すのが、ブランドアドバンテージ評価です。想起の広さ(何人に届いているか)、入口の幅(いくつの入口で浮かぶか)、取り分(カテゴリー全体の想起のうち自社の割合)を並べて見ることで、自社がカテゴリーのどこに立っているかがわかります。施策と結果をつなぐのが、使った予算から想起のKGIまでを一本の数字で結ぶKPIツリーです。3つは、CEPsという同じ単位を、近くからと遠くから見るための組み合わせです。これらの数字は、入口別の想起を測る定点調査で取ります。
最後に、これらを経営にどう渡すかを扱います。報告は二階建てにします。上の階に、狙った入口で思い出される人が増えたという、投資で買った状態の変化。下の階に、今期の売上に効いた費用の成果。投資は売上ではなく、この状態を買うものです。二つの階を同じ画面に載せなければ、半年に一度しか動かない投資の数字を、毎週動く費用の物差しで「動いていない」と判断されずにすみます。
【この回で扱うこと】
- 費用と投資を分けたうえで、想起への投資をどの物差しで評価するか
- CEPsごとの想起率と連想の一文、証拠を1枚で読む地図
- 想起の広さと入口の幅、取り分からカテゴリー全体を見渡すブランドアドバンテージ評価と、深さとのつなぎ
- 想起KPIツリーと、費用と投資を分けた二階建ての報告
講師からの一言
本講座では、想起を測り、続けていくための指標の設計を扱います。入口ごとに自社と競合の想起を並べる地図。カテゴリー全体での立ち位置を見る評価。予算からKGI(最終的に達成したい目標指標)までを一本でつなぐKPIツリー。これらを組み合わせ、費用と投資を分けた二階建てで経営に報告する形までお伝えします。
登壇者
小島 駿株式会社トライバルメディアハウス シニアコンサルタントデジタル広告の代理店、大手総合広告代理店でのプランナーを経て、2021年当社に入社。100社以上のプランニングの経験を活かし、大手企業のコミュニケーション全体の戦略立案に携わる。事業成長を目的に、戦略策定からその後の支援まで継続的に支援できることが強み。NewsPicks主催『売上の地図』ブートキャンプ講師。 共著:『業界別マーケティングの地図』(日経BP)。メディア掲載:連載「想起の教科書 KGI・KPIの設計法」「想起の真実 ブランド戦略の羅針盤」「選ばれるブランドになる 想起の実践法」(日経クロストレンド)がある。
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