振り返り記事
公開日:2023年8月17日

オリエンテーション:楽しいマーケティングの学び方 振り返りレポート

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目次

MARPS(マープス)の初回講座として、「オリエンテーション:楽しいマーケティングの学び方」を実施しました。
本記事では、講師の池田が解説した以下の内容についてまとめています。

  • マーケティングのおもしろさとは?
  • マーケティングとはなにか?
  • マーケティングとマーケティングコミュニケーションの違い
  • マーケティング学習では何をやるべきか?

これからマープスで学習したいと考えているみなさんにとって、学習前に知っておいてほしいことが詰まった講座となりました。マープスでの学習のスタート地点として、是非とも本記事をご一読ください。

マーケティングのおもしろさとは?

池田の言うマーケティングのおもしろさは、「人間の営みを科学し、再現可能性を高める」ことができる点。
マーケティングは戦略的に行うべきものなので、狙って結果を出せなければ意味がありません。そのために求められるのは、再現可能性です。
ある現象に対して、

  • なぜ
  • どういった構造で
  • このような結果が現れたのか

を明らかにできなければ、再現可能性を高めることはできません。

それは結果的に「人間はどうしてこのような営みを行うのか」を科学することにつながります。例えば、以下のような疑問が挙げられます。

  • 買ってもらえる商品と買ってもらえない商品の違いはなにか?
  • ランキング上位の商品やNo.1の評価を受けた商品に興味が湧くのはなぜか?
  • 行列が起こっていると気になってしまうのはなぜか?
  • 行列ができるお店とできないお店の違いはなにか?
  • コーヒーを飲むならスターバックスで飲みたいと考える人が多いのはなぜか?
  • 流行が起こるのはなぜか? 短期間で終わったり、中長期的に続いたりするのはなぜか?
  • 「いい商品とは」が一言で定義できないのはなぜか? 商品・サービスがスペックのみで選ばれないのはなぜか?

このような人の欲求や行動原理を解明し、再現可能性の高い戦略に落とし込むことができるのがマーケティングのおもしろさであると池田は言います。

マーケティングとは?

マーケティングについて、さまざまな団体によって定義が定められていますが、マーケティングによって達成したいゴールは「お客様に買っていただくこと」と単純化できます。一方で、単に売れればいいというものではありません。長期的な視点で、持続的な売上を上げ、企業の健全な成長を実現することが求められます。
多くの企業がさまざまなマーケティング手法を試みていますが、その効果の測定や評価は難しく、正しい方向性を持って取り組んでいるのか、多くのマーケターが悩んでいます。
そこでおすすめの方法は、お客様が買ってくれない理由を書き出すことです。

買ってくれない理由は無数に存在するように思えるかもしれません。
ですが、具体的に挙げてみると、思いのほか少ないことがわかります。ぜひ一度、書き出してみてください。
意外と多くても数十個程度であるはずです。これらの理由が複雑に絡み合って、売れないという状態を生み出しているのです。
マーケティングの目標は、このような売れない理由を売れる理由へと変えることです。

マーケティングとマーケティングコミュニケーションの違い

マーケティングは何を指しているのかわからない、という疑問を持つ方も多いでしょう。
マーケティングのゴールを「お客様に買っていただくこと」と単純化した場合、この目的に寄与するすべての活動がマーケティングに含まれると言えます。
該当する企業活動を書き出すと、以下の図のようになります。

なかでも、マープス参加者の多くが携わるマーケティングコミュニケーションは、伝える活動を通じて、お客様に買っていただく確率を高めるものであると言えます。

マーケティング従事者の抱える課題

今回の講座への申し込み時に多く寄せられた回答から、みなさんが抱える課題は主に以下の5つに集約されていることがわかりました。

  • そもそも全体像が見えない
  • 学ぶ順番がわからない
  • 学んだことを実践に活かせない
  • 師匠がいない/お手本が無い/フィードバックがもらえない
  • 共通言語が作れない

特に最後の共通言語についてですが、マーケティングの仕事は言語によるコミュニケーションの重要性が特に高いため、大きな障害となりがちです。
マーケティングに対する理解や解釈が人それぞれで異なるため、問題となっていることがよくあります。まずはみなさんが正しい認識を持って、周囲を牽引していくことが求められます。

マーケティング学習において何をすべきなのか?

理論の吸収と実践を繰り返すことが欠かせません。
特に、理論の勉強も重要です。それは売れているビジネス書を読むことではなく、大学生などの学生が読む以下のようなマーケティングの理論書がおすすめです。

マーケティング戦略〔第6版〕
https://amzn.asia/d/4pXi9va

[改訂4版]グロービスMBAマーケティング
https://amzn.asia/d/iEeujGd

また、より本格的かつ網羅的に学びたい方は以下の書籍もおすすめです。

コトラー&ケラー&チェルネフ マーケティング・マネジメント〔原書16版〕
https://amzn.asia/d/0BE44jl

このような理論書は実践で役に立たないと思われるかもしれませんが、実務において必ず「そういうことだったのか!」と気づくタイミングが訪れます。
また、知識とスキルは別々のものであると考えましょう。
頭の中の引き出しに知識をたくわえ、実践の場で必要な知識を取り出す。プロフェッショナルに近づくにつれて、この一連の流れがより迅速になり、精度が上がっていきます。

「抽象化」を駆使して、適切な診断と処方ができるようになろう

具体的な事例や事象は抽象化することができます。
例えば、タピオカの流行を分析して、「なぜ流行っているのか?」という問いを言語化するプロセスは、抽象化の一例です。
事例の再現可能性を高めるためには抽象化が不可欠です。多くの人々が成功事例をそのまま自社に適用しようとしますが、商品やサービスの特性、市場の状況、顧客基盤、利用可能なリソース、抱える課題などが異なるため、そのまま転用してもほとんど成功しません。

※抽象化について、より詳しく学びたい方はこちらの書籍がおすすめです。

「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
https://www.amazon.co.jp/dp/4569845991/

また、マープスに参加されているユーザーの方は、特定の具体的手法に取り組んでいる方が大多数です。その場合、手法起点で取り組みをはじめるものの、なぜか売れないというモヤモヤを抱えてしまいがちです。

必要なのは逆のアプローチです。
買ってくれない理由を正しく診断して、最適な打ち手を打つ(薬を処方する)という考え方が必要です。

では正しく診断できるようになるにはどうすればよいか? ここでも抽象化が鍵となります。その際に、概念や戦略のフレームワークが役立ちます。
フレームワークは役に立たないと考える人も多いですが、今でも広く流通している優秀なフレームワークのほとんどは、多数の事例を分析し、できうる限りの(高濃度な)抽象化が施されています。
高濃度に抽象化が施されているからこそ、再現性が可能な限り高まっているとも言えます。だから、そのままでは使えないことが多いのです。
自社の商品・サービスに適したカスタマイズやチューニングをしない限り、うまくいくことはないでしょう。

続けさえすれば、必ず成長を実感できる

マーケティングは、学習でも実務でも取り組んですぐに成果を実感できるものではありません。
以下の図のように、曲線的に成長していくことがほとんどです。

そのため、勉強も実践も努力しているのに、成長実感が得られず、苦しんでいる人も少なくありません。どうしてここまで努力しているのに、うまくいかないのかと悩むケースも多いでしょう。それでも、継続は必ず力になりますし、必ず花開くときがやってきます。腐らず諦めずに取り組むことが重要です。
一方で、やみくもに努力すればよいというわけでもありません。
理論と実践を繰り返し、振り返りを意識することが大切です。振り返りを習慣化し、身近な人々と情報共有をしながら、「なぜうまくいかないのか?」という疑問を放置しないよう努めましょう。

マープスでみなさんに感じてほしい価値

実務で成果を出すためには、知る→わかる→できるというステップを踏む必要があります。できるようになるためには実務が不可欠なので、マープスは知る→わかるを中心にサポートします。

優秀なマーケターの特徴は、「事例や事象という具体」を「原理原則として抽象化」できていることによって、どのような商品やサービスであれ、商材に適したカスタマイズやチューニングが可能なことです。
しかし、マーケティングは複雑で、枝葉の理論が多数存在します。個々の理論を理解しても全体像が見えないため、挫折することや、各理論間のつながりがわからなくなることも少なくありません。
その解決策として、マープスではマーケティング全体の構造に焦点を当て、各概念や施策の詳細とつながりを学べる学習プログラムを提供します。

マーケティング全体の構造とは、池田の開発した『売上の地図』や、マーケティングファネルマップが該当します。
守破離という言葉がありますが、まずは講師から話す内容を基本の型として身につけていただく。型を身につけていただくことで、なるべく早く良い景色が見られるようにユーザーのみなさんをサポートできればと考えています。
見える景色が変われば、必ずマーケティングは楽しくなります。
ぜひ、これから一緒に取り組みましょう。

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