売上とPR ~好感を得るためのPR思考法と実践法~ 振り返りレポート
現在、あらゆるマーケターには「PR思考」を持つことが求められています。
なぜなら、情報があふれる現代においては、多くのことに無関心な生活者から関心を引き出すコミュニケーションが不可欠だからです。生活者の自分ゴト化を促し、ポジティブな反応を獲得するための重要な考え方であるPR思考が、マーケティングコミュニケーションの現場でいま求められているのです。
今回の特別イベントは、電通PRコンサルティングから独立され、現在株式会社 芽の代表取締役を務める根本さんをゲストにお招きしました。
『デジタル時代の基礎知識「PR思考」 ~人やメディアが「伝えたくなる」新しいルール~』(翔泳社)の著者であり、多くの受賞経験をお持ちの根本さんから、PR思考の正体と具体的なメソッドについて解説いただいたイベントの内容をまとめます。
マーケティングコミュニケーションにおけるPRの真の効果
『売上の地図』では、PRは以下の図のように位置づけられます。
トライアル購入につなげるには、一番最初に思い出してもらえる商品・サービスになることが必要である(想起を高める必要がある)ことは過去の講座で解説した通りです。想起を高めるためには、正しいパーセプション(認識)があることと、プレファレンスを高めることが必要です。
そして、プレファレンスを高めるには、価格・ブランドエクイティ・製品パフォーマンスがそれぞれ高くあることが求められ、そのうちブランドエクイティに作用できるアプローチの一つがPRです。
「PR」という言葉から想起されるのは、「パブリシティ(メディアに情報を取り上げてもらうための活動)によって、マスメディアに取り上げてもらう活動のこと」と考える方は少なくありません。そして、マスメディアに取り上げてもらうことで得られる認知向上・拡大をもっとも期待しがちです。
しかし、PRの本質はそうではありません。PRの良い点は、中立かつ客観的な立場にあり影響力をもつメディアに取り上げてもらうことで、企業やブランドに対する信頼や好意度が向上したり、生活者から興味を持ってもらったりすることができる点です。これは、広告では興味を持たなかった物事に対しても有効です。