優れた実務家になるための思考法~勝ち続ける仕組みをつくる「参謀」の能力とは~ 振り返りレポート
『起業の科学 スタートアップサイエンス』(日経BP)や『「起業参謀」の戦略書 スタートアップを成功に導く「5つの眼」と23のフレームワーク』(ダイヤモンド社)の著者であり、株式会社ユニコーンファーム代表取締役CEOとして数多くのスタートアップに関わっている田所さんをゲストにお迎えしたイベントを実施しました。
田所さんは今の日本に圧倒的に足りないのは、起業家の右腕として起業家が目指す世界やビジョンの実現を支える「起業参謀」の存在であると説きます。
「起業参謀」は必ずしもスタートアップだけに必要な存在ではありません。「起業参謀」に求められる役割の一つに、事業戦略を抽象化・構造化して整理し、実現まで現実的な道程を描けるようになることが挙げられます。
これはどの企業においても、この不確実な時代において事業やマーケティングの成功可能性を高めるために必要な役割であると言っても過言ではありません。「起業参謀」に求められる役割や資質、磨くべきスキルの考え方について解説いただきました。
起業したい方、起業家を支えたい方だけでなく、実現可能性の高い戦略を描ける実務家をめざしたい方など幅広い方におすすめの内容です。
マーケターが持っておくべき「時間軸」という視点
マーケティングの多くのフレームワークにおいて、時間軸が考慮されているものはほとんどありません。点としての瞬間を切り取り、市場や顧客、自社やメディアについて整理することについて優れたフレームワークは多いものの、フレームワークを利用するうえで「時間軸」の考え方は欠かせないと池田は言います。戦略・戦術・マーケティング施策はすべて時間軸を考慮して考えなければ成立させることはできません。
また、マーケティングコミュニケーションにおいては、商品・サービスそのものや、それらが持つ価値があらかじめ決まっている状態から施策に落とし込んでいくことが一般的です。対して、スタートアップは「顧客が何がほしいかわかっていない」状態から始まることがほとんどです。
アイデア創発のフェーズから、市場に商品・サービスを投下してグロースしていくまでの間には多くのステップが存在し、ステップごとに解決すべき課題は異なります。マーケティングは事業成長のために欠かせない要素の一つではありますが、事業初期フェーズには初期フェーズの、成熟フェーズには成熟フェーズに最適なマーケティング戦略の考え方があることを意識しておくことが大切です。