振り返り記事
公開日:2024年10月4日

メタ思考トレーニング ~思い込みにとらわれない発想力を身につけよう~ 振り返りレポート

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マーケティングに限らず、あらゆる領域で私たちが成長するために欠かせないのが「自分が知らない、わかっていない」状態を自覚することです。

「自分がいかに知らないか」という気づきを得なければ学びも成長もありえませんし、成長速度も大きく変わります。この「気づき」を得るために必要になるのが「メタ思考」です。

メタ思考とは、さまざまな物事を「一つ上の視点から」考えることです。メタ思考を身につけることによって、私たちは自らの思い込みや思考の癖に気づき、抜け出すことが可能になります。また、それによって得られた気づきが、今までの自分にはなかった創造的な発想をもたらしてくれます。

今回は『具体⇄抽象トレーニング』に引き続き、ビジネスコンサルタント・著述家の細谷功さんをゲストにお招きして、著書である『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』(PHPビジネス新書)を元に、メタ思考を実践するための二つの具体的な思考法(「Why型思考」と「アナロジー思考」)を身につけるためのポイントについて解説いただきました。

メタ思考は、前回の特別イベントで学んだ抽象化のためにも必要な思考です。抽象化をするためには、世の中のさまざまな事象をメタ思考的に捉えることが必要です。メタ思考と具体⇄抽象はセットで身につけることで理解度・活用度は高まります。

※細谷さんの講座はリアルタイムで体験することに価値がある講座となっているため、本記事は解説パートの一部をまとめています。

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メタ思考とは

前回の「具体⇄抽象トレーニング」では、具体の視点を地上の視点、抽象の視点は上空の視点とたとえました。メタ思考とは、抽象に欠かせない上空の視点(全体を俯瞰する視点)を持つことです。上空の視点に対して地上の視点(自分を中心とした視点)がありますが、地上の視点はどんな人でも意識しなくてもあらかじめ持っている視点です。上空の視点は、意識して持たなければ身につけることはできません。

上空の視点と地上の視点の違いを理解するための例として、左右と東西の違いが挙げられます。たとえば、全国に点在している人たちに向かって同時に「左を見て!」と言ったとしましょう。全員が容易に左を向くことができるはずです。しかし、上空の視点(神様が空から見ているようなイメージ)から見ると、確かに全員が左を向いているものの、向いている方向はみんなバラバラです。

一方で、「西を見て!」と言ったとしましょう。この場合、即座に西を向くことができる人は多くないはずですが、同じように上空の視点で見ると、全員同じ方向を向くことができているはずです。このように、準備に時間はかかるものの、結果を合わせることができることがメタ思考を持つメリットの一つです。

日常的な例でも考えることができます。たとえば、ホテルの朝食バイキングを回るとき、食べ過ぎや取り過ぎを防ぎ、食べたいものを食べられるように、まずはどこに何が置いてあるかを確認する人がいるはずです。他にも、試験を解くときにまずは全体の問題量を確かめてから、解ける問題から取り組むという方法を受験時に身につけた方も少なくないはずです。このように、上空の視点を持つことは全体感をつかむことで方向性を確認しやすくなったり、ペース配分がつかみやすくなったりすることもメリットです。

メタ思考(上空の視点)を身につけようということは、地上の視点(部分的・主観的・直感的な視点)を持つことを否定しません。ケースバイケースで使い分けることが効果的です。前述の例で言うと「左を見て!」は指示が直感的でわかりやすく、即座に行動できる一方で、「西を見て!」はすぐに行動できません。相手からまどろっこしいと思われてしまう側面があるためです。

上空の視点を持つ、と一言に言っても身につけるのは容易なことではありません。メタ思考を行うための思考法として「Why型思考」と「アナロジー思考」を解説します。

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