
「売上と顧客」事例研究編 ヤマップが手掛ける“価値が循環する”しくみとは 振り返りレポート
『ファーストフォロワーのつくりかた 事例で学ぶ「製品・サービスの価値をファンと共に生み出す」ためのマーケティング』(翔泳社)にて取材のご協力をいただいた株式会社ヤマップの小野寺さんをゲストにお迎えして、『ファーストフォロワーのつくり方』著者である高橋と、トライバルメディアハウス代表の池田とともに、ファーストフォロワーと価値を共創するマーケティングをテーマにしたイベントを開催しました。
ビジネスやマーケティングにおいて顧客理解は欠かせません。なかでも、熱狂的なファンは売上以上に多くのものを企業やブランドにもたらしてくれる存在です。特に熱量の高い顧客が持っている特徴をヒントに商品・サービスを改良したり、ファンに響く価値を打ち出したりすることで事業の成長に貢献することができます。
そのようなマーケティング活動を始めるにあたって、高橋はファーストフォロワーの重要性を説いています。ファーストフォロワーとは、企業やブランドに追随して価値を受け取り、仲間を呼び込む役割を担っている存在のこと。
今回取り上げる株式会社ヤマップの事例では、運営している登山地図GPSアプリ『YAMAP(ヤマップ)』の成長のために、ユーザーとの価値共創に取り組んでいます。ユーザーである登山者の行動特性を深く理解し、登山者コミュニティならではの共助のしくみから生まれたデータを活用したPRにもつなげていきました。
本イベントでは、株式会社ヤマップがファーストフォロワーを起点としてユーザーの新規獲得や社会的意義のあるPRを実現していった取り組みについて解説いただきました。

ファーストフォロワーとは
2010年にTEDが公開した『デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」』という、一人の行いが最終的にムーブメントを生んでいく様子を解説した動画があります。裸の男性が一人で踊っているところから始まり、一人の男性が一緒に踊り始め、友人を誘い、一緒に踊りだす人数がどんどん増えていく様子が映っています。ファーストフォロワーとは本動画において、真っ先に一緒に踊り始めた最初の男性(フォロワー)のような存在のことを表します。
このようなフォロワーとの関与を深め、施策に展開していくことについての理解を深めていくため、今回はヤマップの事例をご紹介します。
マーケティングファネル上においては、ロイヤルカスタマーに向けた施策はポストマーケティング(買っていただいた後のマーケティング)に位置づけられます。一方で、今回解説するロイヤルカスタマーとしての側面を持つファーストフォロワーと行う取り組みについては、ポストマーケティングとしての取り組みに限定されません。
ファーストフォロワーの力を借りることで、プリマーケティング(買っていただく前のマーケティング)や、商品・サービスの改良など、事業課題に関するさまざまなことに寄与できるというポイントをおさえておきましょう。
ファーストフォロワーについての詳細は、こちらのイベントの振り返りレポートを参照ください(アーカイブ動画も公開しています)。