【講座解説記事】デジタルマーケティング連続講座2026 〜思考の基準をアップデート〜

最終更新日:2026.8.4

作成日:2026.8.4

生成AIの普及、検索体験の変化、チャネルの分断など、ここ最近でマーケティングを取り巻く環境と前提条件は大きく変化しています。昨日まで正しかった施策が今日は効きにくくなり、考え方や判断軸をアップデートする必要が出てきています。マーケティング担当者からは「施策をやっていても手応えがない」「何を優先するべきか分からない」という声が聞かれています。

MARPS(マープス)では、このようなデジタル時代において、個別最適に陥りがちな施策を全体最適なつながりとして捉え直すための『デジタルマーケティング連続講座2026』を、5回にわたって公開しています。

本記事では、この連続講座を振り返り、これから変化が起きても立ち戻ることのできる「思考の基準点」をアップデートし、判断軸を身につけるためのヒントをお伝えします。

興味のある講座については、ぜひ講座のリンクからアーカイブ動画をご覧ください。アーカイブ動画の視聴には、MARPSへの会員登録(無料)、ならびにログインが必要です。

要点まとめ

  • いますぐ客だけでなく、そのうち客へのアプローチと、特定のカテゴリーで真っ先に選ばれる第一想起を獲得するマーケティング活動が不可欠になる
  • AIや生活者に選ばれるコンテンツ制作には、AIが模倣できない4つのアセットがカギを握る
  • 属人化を排除し、部門間の分断を解消するため、全体最適を図るための枠組み(MOps)を用いて成果の再現性を高めることが求められる
  • メールには、見込み客や生活者が必要なときに第一想起させることや、商品やサービスを選ぶべき理由が説明できる状態をつくる役割がある
  • AIO、GEOへの対応が急務といわれる現状においても、ユーザー体験の向上とブランド価値の構築を愚直に継続することが重要

『売上の地図』と第一想起で描くマーケティングの現在地

第1回は、株式会社トライバルメディアハウスの代表 池田から『売上の地図』をベースに、成果を持続的に向上させるための基本構造を解説しました。

ニーズが顕在化した、いますぐ客の獲得だけに頼る施策は、競合との激しい価格競争や広告費の高騰をともない、長期的にはCPA(顧客獲得単価)を悪化させる一因になります。そこで重要となるのが、まだニーズが顕在化していない、そのうち客へのアプローチと、特定の場面やニーズ(CEPs)において真っ先に思い浮かぶ「第一想起」のポジションを獲得することです。

今期の限られた予算の一部を、来期以降の種まきとして投資的に使い、第一想起を軸としたポジショニングを強固にすることが、これからのマーケティングに強く求められています。

このような人におすすめ

  • 施策はやっているが手応えがない、何を優先すべきかわからないと迷っている方
  • 第一想起を獲得し、選ばれ続ける売上構造を作りたい方
  • マーケティングを「点」ではなく「構造(線・面)」で捉え直したい方

参加者の声

  • 自分が仕事で携わっているのが最寄品で、No.1商品もあれば出だしから厳しい新商品もあるので、想起を上げるためにどうするのかを改めて考えられるのではないかと思いました。
  • 今まさに勝負のために、文脈による想起を高めることを考えていたところでした。プロモーションの予算や効果について、来年以降の投資の必要性を説明しなければならない課題感があったため、ちょうどいいタイミングでお話が聞けました。

アーカイブ動画と講演資料は以下よりご覧いただけます。

AIと生活者に選ばれるコンテンツ制作を支える4つのR

第2回は、株式会社ウェブライダーの松尾茂起氏が登壇し、生成AIが普及した時代において、AIにも生活者にも選ばれ続ける本質的なコンテンツ設計について解説しました。

検索エンジンのAI搭載(AI Overviewsなど)や生成AIの普及により、Webサイトへの流入構造や検索体験が大きく変化しています。ユーザーがWebサイトを訪問せずに検索結果上で回答を得る「ゼロクリック」問題など、Webサイトはトラフィックが減少するリスクにさらされています。このような環境で選ばれるためには、AIが模倣できない人の実体験や専門性に基づいた、4つのアセット(4つのR)をコンテンツに盛り込むことが大切です。

4つのRとは、①他との違いや評価を示すレビュー、②実務での活用を提案するレシピ、③体験を証明する記録としてのレコード、④築き上げてきた信頼関係であるリレーションを指します。4つのRはAIがつくれない要素でもあることから、これらを複合的に組み合わせることが、これからのコンテンツに求められています。

このような人におすすめ

  • AIにも生活者にも選ばれる「信頼性の高い高品質なコンテンツ」を作りたい方
  • 見込み顧客に響くメッセージや共感ストーリーを設計したい方
  • 生成AIをコンテンツ制作のプロセスに組み込み、解像度や質を高めたい方

参加者の声

  • AIを伴う急激な変化にしんどさを感じていましたが、結局のところ信用や信頼、正直さが大事ということに救われました。身体を使ったリアルな実体験や、商品やサービスに対する熱量をうまく伝えられるようになろうと思います。
  • 想起集合に入り、かつAIにお薦めしてもらえると選ばれる確率が高まると感じました。判断するのは人であり、AIに聞く前の「自分の脳内検索」があるからこそ、AIの回答が行動の後押しになるというお話が興味深かったです。

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意思決定を高度化し再現性を高めるMOpsの重要性

第3回は、ゼロワングロース株式会社の廣崎依久氏が登壇し、マーケティングにおける成果の再現性を高め、部門間の分断を解消して全体最適を図るための枠組みであるMOps(マーケティングオペレーション)について詳しく語りました。

多くの組織では「戦略(目的)」から「実行(施策)」へと一足飛びになりがちですが、その間に標準的な「戦術設計(オペレーションモデル)」を挟むことで、施策の効率と再現性を高めることができます。

近年、マーケティング担当者は、購買プロセスが始まる前にAIなどからの情報収集と検討を済ませる傾向が強まっています。これからのMOpsは、AI活用のための環境整備やデータ分析スキルの向上、データガバナンスの強化などをテーマに、ツールの運用管理やデータの統合、キャンペーンマネジメント(施策の標準化・人的コストの可視化) を組織的にコントロールすることで、属人化を排除し、全体の意思決定の高度化を進めていく必要があります。

このような人におすすめ

  • 「戦略」と「施策」の分断、個人の属人化、成果の再現性に悩んでいる方
  • 複数ツールや施策データの統合、自動化を進めたい方
  • マーケティング・営業・CSを横断したデータ基盤(RevOps)を模索している方

参加者の声

  • 製造メーカーとして、自社のビジネスのケースに当てはめて考えながら拝聴いたしました。マーケティングと販売の業務成果の見せ方、領域の住み分け、売上指標を取り合わないといったお話も、頷いてしまうポイントでした。
  • 組織内での各部門の最適化が、組織全体としては非効率になることがあるという点は、まさに現状の課題でしたので納得しました。AIによって顧客の行動が変化している点についても可視化していただき、腑に落ちたので今後の施策の参考にしたいと思います。

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施策の分断を防ぎ購入意向を育むメールマーケティングの役割

第4回は、合同会社エスプーマの安藤健作氏が登壇し、購入の意思決定を支える育成設計としてのメールマーケティングについて再定義しました。

メールの真の価値は、見込み客や生活者と接点を持ち続け、必要になったタイミングで想起させること。さらには顧客のフェーズ、状態を踏まえ、比較検討のプロセスに入ったときに、商品やサービスを選ぶべき理由を自分の言葉で関係者に説明できる材料を届ける(選定理由を渡す)ことにあります。現場の担当者が社内で説得をするための判断材料や論理の筋をつくり、分断された施策を線でつなぐ装置としてメールを活用することが有効です。

このような人におすすめ

  • リードナーチャリングに課題を感じている、改善に取り組めていない方
  • メールマーケティングの役割について再定義したい方
  • 見込み顧客に第一想起される仕組みをつくりたい方

参加者の声

  • メルマガなどを担当するようになり、まずは前任者の模倣をしていましたが、目指す理想が必要だと思い参加しました。セミナーで理想から入り、川上から整備していくことの重要性を感じました。書籍も購入し、自社の理想はどうかを突き詰めて動いていきます。
  • 大変勉強になり、自社が目指すべき姿が明確になったと感じています。メルマガ配信を行っている各部署の担当者を集めて、企業としてどのような文脈をつないでいくべきなのかを話し合っていきたいと思いました。

アーカイブ動画と講演資料は以下よりご覧いただけます。

AI時代における検索行動の再定義とSEOの本質

第5回は、『海外SEO情報ブログ』の運営で知られる鈴木謙一氏が登壇し、AIO(AI Overviews)やGEO(Generative Engine Optimization)といった最新の検索環境の変化を踏まえた「AI時代におけるSEOの本質と実践」について解説しました。

生成AIが出力するコンテンツのソースや根拠を必ず人間の目で確認するなども言われますが、何よりAI時代においても揺らがない重要な要素は「役に立つ・独自性のある体験の提供」や「検索エンジンが正しく内容を理解できる技術的対応(構造化データなど)」です。従来の正しいSEO(ユーザー体験の向上とブランド価値の構築)を愚直に継続することこそが、AI時代における最も強固な戦略となります。

このような人におすすめ

  • AI検索時代のSEOのあり方に悩んでいる方
  • 社内から「AIOやGEO対策をやらないのか」と言われている方
  • 小手先のテクニックではなく長期的、持続的に有効なSEO対策を知りたい方

参加者の声

  • AIOという旬なテーマについて、現状だけでなく「今後どのように考え、動いていくべきか」のヒントを得ることができました。各社手探りの状況の中で意思決定を行うための考え方や判断材料を整理していただき、大変参考になりました。
  • 現在、自社を検索上位にすべくSEO対策の担当をしており、AIO等に合ったものにしなければと思い込んでいました。しかし、SEOを愚直にやり続けるというお言葉に少し肩の荷が下りた気がします。

アーカイブ動画と講演資料は以下よりご覧いただけます。

おわりに

AIをはじめ話題のテーマにも触れながら、各テーマのあり方、今後の取り組み方をご紹介した「デジタルマーケティング連続講座2026 〜思考の基準をアップデート〜」。

MARPSの連続講座を通じて、まずはチームや社内で共通言語をつくり、それぞれの手法がどのように線でつながっているかを全体最適な面として俯瞰する視点を取り入れてみてください。 本日ご紹介した講座のアーカイブ動画は、MARPSのサイト内からどなたでも無料で視聴可能です。ぜひ今日から、思考の基準をアップデートするための一歩を踏み出してみませんか。

監修

本記事は、マーケティング戦略・ブランド戦略の専門家である池田紀行 の監修のもと作成しています。トライバルメディアハウス代表として、企業のマーケティング戦略設計および第一想起獲得に関する支援実績を多数有し、本記事はその実務知見に基づいて構成されています。

池田紀行 プロフィール

トライバルメディアハウス代表。マーケティング戦略・ブランド戦略領域を専門とし、第一想起を起点とした戦略設計・IMC支援を行う。企業のマーケティング変革支援を多数手がける。

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